「抜」:バツ、ぬく。 抜擢、抜群、選抜など、手偏に友と書く抜
は、友を押しのけている様子に読める漢字です。が、抜の旧字
は「拔」で、友ではなく「犬+ノ」と書き、犬が後ろ足を斜めに跳
ね上げた姿、跋バツ(足をはねる)の原字で、それに手をつけて
余計なものを払いのけ、それだけぱっとぬきとることをことを言
う漢字だそうです。「友」と「犬の足」、友人を蹴飛ばしてひとり
平気で威張っている輩が、やがて落ちぶれる姿、哀しいです。
「擦」:サツ、する、こする。 手偏に察で、手をかざして遠くを観
察する姿を思い浮かべる漢字ですね。右の察は、祭りの家かと
思うと、祭りは「肉+手+清めの水のたれる姿」でお供えの肉を
きれいに清めることで、察は家をすみずみまで清めること、細か
くすみずみまで目を配る様子を表す漢字、それに手を添えた擦
は、手でこすって汚れをとり去ることでした。「摩擦まさつ」最近
お隣の国と、何かと問題がこすれる様子、国と国との摩擦!
早く分かり合うためには、譲り合い,認め合いが大切だと・・・・・。
「拗」:ヨウ、ねじる。 手偏に幼ですから、でっきり幼児をなでる
様子だと思いました。違いました、なでるは「撫でる」と書きます。
「幼」は、「幺ヨウ(細く小さい糸)+力」で、弱くて、力のない、おさ
ない、若い子供、という意味の漢字ですが、拗の場合は、糸の
ようにしなやかで細いものを、手で曲げる様子で、枝をしなやか
にねじ曲げること、ねじる、ねじれる様子をいう漢字だそうです。
そこから、すねる拗ねる、ひねくれる、すなおでないさま、などを
執拗シツヨウに追及、食い下がる、などの熟語があります・・・ね。
「捧」:ホウ、ささげる。 お正月もさらりと過ぎ、今日は成人の日。
前のお宮の「左義長」と、境内にある「秋葉社」のお祭りです。
捧の右の奉は、神様へお供えを、両手でささげた様子で、それに
手偏がついた丁寧な感じの漢字ですね。熟語に「捧腹ホウフク」腹を
抱えて、大笑いする、「捧腹絶倒」は、払いすぎて、息ができなくな
り倒れる事をいう熟語です。が、「ほうふく」で変換すると「抱腹」で、
これは誤りで、腹を抱えるでなく捧げるほうが正しいということです。
どちらにしても笑いはOKですね。「十笑十若」笑顔万歳ですから。
「酬」シュウ、むくいる。 「酬応」酒をつがれたら返礼として、杯を
返し酒をつぐ、酒杯をやり取りする様子で、アチコチで皆さん盛ん
にやり取り・・・、この頃の若い皆さん、あまりやり取りしないようで
すね。今年も皆さんからのお歳暮に「銘酒」が届いて、暮れも正月
も楽しく美味しくいただいてます。かっては、昼酒をしてましたが、
断酒は6ヶ月でおわり、節酒にしてます、だからゆっくり長く楽しま
せて貰えます。今日は娘や孫達が帰省します、婿殿と良い酒楽し
みます。
「醒」:セイ、さめる。 webで「流星群が見えるよ」と教えてくれて
ますが、寒空のなか観察の勇気?が有りません。星より酒を頂
いて早めに布団の中がよろしいです。星は日+生で、お日様が
生まれると読めますが、実はきらめく三つの星が、澄みきって清
らかに光るほしを表す漢字で、「醒」は酒の酔いが消えすっきり
気分が澄むことを表す漢字だそうです。「飲んだら乗るな!乗る
なら飲むな!」の標語ですが、飲酒運転が無くなりませんね。
「醐」:こ。 今日は「琵琶湖」の湖畔のプリンスホテルで、姉妹団
体の納め会。全国から集まった姉妹たちが、着物姿の選手大会
です。「湖ミズウミ」の氵偏が酉偏になる「醐」で、湖が酒になるとい
うイメージの漢字です。が、醍醐ダイゴは酒でなくて、牛乳を煮ると
き、表層に糊のように浮くバタークリームのことで、右の「胡コ」は、
「糊ノリ」を表している漢字だそうです。「きもの」和装は、日本女性
の美しさを美(魅)事に表す衣裳です。自然な所作が魅力的です。
「醂」ラン、りん。 「忘年会」を「望年会」だと言う人達がいます。
酒好きな老輩には、どちらも歓んで参加します。「醂」の「林リン」
は、木々がつらなる様子で、酒瓶が、林立する様子で景気の良
い感じの漢字ですね。誘われて、機嫌良く飲んだ後、淋しい想
いが残ることがあります。「淋」の氵偏が酉偏になる漢字が「醂」
でした。林の中で独り飲む酒は、閑かですが、やはり淋しいです。
酒を楽しく愉快に飲み合える「飲み友」が少なくなってます、寂し
い事です。
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